リハビリ人生

知り合いに「アケスケなブログ」って言われました。あけみって名前のスケバン?って思ってたら赤裸々って意味でした。

次の問いに答えなさい

問い:次の文章はピリきゅうが小学生時代の頃のエピソードである。これを読んで、ピリきゅうが同級生からどのように扱われていたかを推測し、十五文字以内で答えなさい。

 


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小学校の頃、一緒に帰る人は家がある地区が近い人と決められていた。

私と一緒に帰っていたのが、可愛くてスポーツもできて明るい人気者の二人だった。

帰り道、横に広がりすぎると横を通り抜けていく自転車に舌打ちをされる。3人で帰るなら誰か一人は後ろに寄り添う形で歩かなければならない。

私はいつもその一人の立ち位置だった。

 


自分から会話を振ることはない。二人が話していることをなんとなく大袈裟に笑う。同じことを繰り返して話してみる。それらの行為をすることで、「私たちは3人で帰っている」ということを誰かに証明したかったのかもしれない。家に帰るまでの道は、いつも長く感じた。

 


ある日、話題が二人が読んでいる雑誌の話になった。二人はニコラという女子小中学生向けのファッション雑誌を読んでいるらしかった。ファッション雑誌なんて買ったことのない私は全然話についていけなかったが、「へ〜そうなんだ」と適当に相槌を打っていた。

 


すると急に、二人が「きゅうちゃんは正直ダサいよね。」と言った。

 


胸の奥がキュッとなる感覚がしたが、二人が笑っていたので、私はヘラヘラと「いや〜そうだよね」と返した。

 


二人は全く悪気なさそうに、「きゅうちゃんはこうしたらもっと可愛くなるよ」というのを教えてくれた。二人は楽しそうに変身のシュミレーションを考えて、私の持ち物から髪型から何から何まで考えてくれた。私はずっとヘラヘラしながら、「なるほど!すごい〜ありがとう」と笑っていた。

 


別の日、二人から「DSを持っているから」という理由で遊びに誘われた。DSは電池切れで使えなかった。DSを持っていない自分にどういう存在理由があるのか全く分からなかったので、お腹が痛いと嘘をついて遊びに行かなかった。

 

 

 

_____________

 


【解答欄】

ピリきゅうは二人に(           )。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【模範解答】

ピリきゅうは二人に

 


メチャクチャに舐められていた。

 

 

 

 


【解説】

いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜舐められてるよな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

自分より立場が上だと思う人間に、こうしたほうがいいああしたほうがいいって押し付けないもんな〜〜〜〜〜。

まあ、親切心というか、そういうコミュニケーションの取り方だったんだろうと思うし、なんやかんや仲良くしてくれていたので、二人とも結局メチャクチャいい子なんだろうなと思うけど、「改造計画」という名のもとに色々と考えて楽しまれていたのは、ちょっとした良いおもちゃとして扱われていたんだろうなと思う。

 


あと、私の家が一番学校から近かかったんだけど、なんかやたら食い物をねだられたな〜。マジで菓子のようなものが何もなくて、お母さんが漬けてる梅干ししかなかったので、梅干しをいつもあげてたな。

 


梅干して!!!!!!!!!!!!!

梅干しやるくらいなら「なんもねえ」って正直に言えばいいのに梅干しあげるて!!!!!

ほんで二人とも食うんかい!!!わりと気に入って毎回私の家に着くたび梅干しねだるんかい!!!!!

 


化粧をすることにそこそここだわりがあるのは、こんなふうに見た目で舐められていた過去があるからかもしれない。

今でこそ、自分という人間にそこそこ自信をもてているのでデカイ態度で人と接することができているけれど、小さい頃の自分はヒエラルキーというものに敏感で、常に自分は底辺にいるという自覚で人と接していたと思う。

今考えるとそんなものはなくて、「合わない人間とは付き合わなくていいし、合う人間とだけ仲良くしていればいい」のだ。

それに気付けたのはだいぶ精神的に大人になってからだった。

 


人に怒れないし、いつも周りに合わせてヘラヘラしている。

梅干ししかあげるものがないけどあげてしまう。

でも、こんな私だからこそ一緒にいやすいと言ってくれる友人もいる。なんでも話せると言ってくれた友人もいる。

 


化粧をそこそこして強そうな見た目になった今、舐められることは減った。

仲のいい友人は私が化粧をしているかどうかなんて何も気にしない。

 


【この問題のポイント】

結局は自信を持つということが大事。

私にVIOの処理をさせるな、お前に人の心があるなら

「すいませんが、この状態では今日はできませんね・・・」

申し訳なさそうに微笑む彼女の腕には一本の無駄毛もない。

 

 

 

全身脱毛に去年から通っている。

自分の体毛に少なからず不満を感じる部分があったのは確かだった。少なからずと言ったが、どちらかと言うと大いにある。カウンセリングの際、「毛なんてまつ毛と髪の毛以外にいらないんですよ」というサロンのお姉さんの大見栄きった発言に心を打たれ、通うことに決めた。

 

「脱毛に来る前にはご自分で毛の処理をして来てくださいね。」

 

と説明を受けた。ただ、うなじと背中に関しては自分でしようにも届きようがないので、機械を当てる前にサロンで剃ってもらえるらしい。

もう何年も毛の処理とは付き合ってるので、それは別に構わないと思っていた。

「うなじと背中以外」にVIOが含まれていることを私はかるーく考えてた。

 


シャワーを浴びる。ボディソープで体を洗うときに体毛を剃る。慣れたルーティンだ。

しかし、いつもと違いどこか緊張が帯びている。私は今日VIOを剃るのだ。

デリケートゾーン用に買ったヒートカッターはうやうやしく浴槽のヘリで出番を待っている。

体を洗い終わりシャワーで泡を流す。諸君、私は今からVIOを剃るのだ。大業を果たす私を応援したまえ。流れゆく泡を見ながらヒートカッターの電源をいれる。

 

ブブブブブブブブブブブブ

 

一回電源を切る。

 

え?

音大きくない?こんなもん?

 

ヒートカッターが思ったより勢い良く震えたことに、私は少々驚いた。

一回浴室から出て、投げやりに捨ててあったヒートカッターの箱を見る。デリケートゾーン対応の文字がある。オッケーオッケー、マジ需要と供給に適ってますわ。風呂椅子に座り、もう一度電源をいれる。

 

ブブブブブブブブブブブ

 

一回電源を切る。

 

首を下に曲げ、股の間を覗き込む。

 

え?

この森みたいなとこにコレ今から持ってくの?ヤバくない?

 

急に事実が色味を増して迫ってきた。いや股の間にあるのは漆黒がごとき森なので色味はないのだけれど。

その富士の樹海みたいなとこを、得体の知れない震える刃物が今から迫るのだ。正気?考えた奴本当に人間?

 

よく考えたらこんなマジマジと股の間を覗き込むなんて体験は今までなかった。

遠い昔、どうなってるのか気になって真ん前に手持ち鏡を置いて「グロすぎワロタ」という感想を抱いてから以来、なんなら直視するのを避けていたかもしれない。

 

人体の中でもそこそこ日々関わりを持っている箇所の割に顔を合わせたことがほぼと言っていいほどない。

この体をつかさどっているいわば社長らしき立場としては「いつもよく頑張っておるな」と肩でも叩いてやるべきなのだろうが、肩を叩こうものにも「グロすぎワロタ」な見た目がそれをさせようとしないのだ。


「もう少し可愛い見た目をしていたら扱いを改めてやらんこともないのに」と長年差別主義者のパワハラを働き続けてきたツケが今回ってきたのだ。


今こそコイツと向き合う時だ。久しぶりに顔を見たら意外に可愛い顔をしてるかもしれない。

社長は心に愛情を、右手にヒートカッターを持ち、樹海の中にいる社員に会いに行った。

 

 

 

 

「あ〜・・・お客さんVIOの処理初めてなんですね〜」

 

サロンのお姉さんに開けっ広げに股を広げている。私はその言葉の言わんとする意味をすぐ理解した。

毛の処理が甘いと機械がうまく反応しないため、施術をしてもらえないのだ。

凹んでいる私に、お姉さんは一生懸命、VIOの処理の仕方を説明してくれた。恥ずかしげもなく色んな体勢を取ってくれている。そこまでするならもう私の毛も剃ってほしいと思う。

腕に一本の無駄毛もないお姉さんの肌は光っている。彼女は自分の社員を一人残さず大切に扱っている社長なのだろうなと考える。

 

 

 


一ヶ月後、私はまた風呂椅子に座りヒートカッターを眺めている。脱毛は明日に控えている。1ヶ月間無視した結果、樹海は過去の勢いを取り戻しつつある。

今回こそは……。そう思い、カッターの電源をつける。


ブブブブブブブブブブブ

相変わらず大きくなる音。別の部屋でテレビを見てる親に、娘がVIOの処理をしているとバレたくない。そんな羞恥心は捨て、私は必死に目の前の樹海に立ち向かった。

「ぬおおおおおおおお」


私はやる気に満ち溢れていた。樹海から余すことなく木を伐採しようというやる気に。木は微動を続けるカッターによって無惨になぎ倒されていく。


ブブブブブブブブブブブ

「おらおらおらおらおらおらおら」


所詮毛は無力だ。根っこを生やし、迫りくる私から逃げることもできない。私はチェーンソーを持って樹海を暴れ回った。一ヶ月で生えた毛はみるみるうちに減っていく。

フハハハハハハハ!!!!!どうだ参ったか!!!!!毛の分際で私をなめるのも大概にしろよ!土下座して謝れ!!!!!!!!フハハハハ!!!!


ブブ・・・


一度電源を切る。


ふと自分を鏡で見る。

立ち上がってガニ股にしたまま腰を折りたたみ、股の間から顔を覗かせている自分と目が合う。

意味の分からない体勢をとりまくって体はバキバキ言っている。


私は一体何をやっているんだ?

一日中働いて帰った後に、なんで風呂で汗だくになりながら股から顔をだしてるんだ?

風呂はいつから戦場になったんだ?

 

「私パ〇パンなんですよー」

そう赤裸々に言って笑うギャルモデルは、皆こんな面白いポーズをとっていたのか。

これが世界の真実か。ギャルは風呂場で泣いている。自分の股間の業の深さを、月に一度目の当たりにしている。

 

私の脱毛は明日に迫っている。

私もコイツと向き合わなければいけない。

 

悲鳴をあげている肩と首を無視して、ヒートカッターを手に取った。

 

 

 

 

 

「女性器がチ〇コくらい面白い形してたら、こんなに処理が憂鬱にならない気がするんだよな。」

 

サロンであられも無い姿になったまま、友達が言った謎の主張を思い出す。毎回大変な思いをしているのは、私だけではないと思い返す。


処理がVIOに移る。隠していたタオルがはぎとられる。

寝たフリをしながら緊張で身体を強張らせる私。

お姉さんは妖艶な笑みを見せながら言う。

 

「ここ、一本毛が残ってるので避けて機械あてますね〜」

 

ギャルが落ちる地獄は加湿器アロマのいい匂いがする。

今日も鬼の毛は、顔から下に1本も生えていなかった。

黒髪の乙女は下ネタが嫌い

 

下ネタに対する嫌悪感はほとんどないものだと思っていた。


なんなら好きである。

東に性事情を赤裸らに語る女子会あれば、行ってツマミに酒を飲み、西に面白いエロ漫画の煽りがあれば、読んで腹を抱えて笑う。

ドロドロした恋愛の情事が描かれた本を好んで読み、儚げな純情乙女がこれを読めば、「やだ!わたしったらこんなもの読んで・・・」と顔を赤らめるんだろうなと想像したりする。

強いて言うなら、下ネタは好きな割に、登場する部位等の名称をハッキリと口にするのは躊躇いがあるなという自覚はあった。

 

そんな時、NHKでアニメ「おしり探偵」のオープニングを見た。


おしりをモチーフにした顔は、柔らかそうな頬?のあたりがほんのりと赤らんでいる。

おしり探偵が愉快に助手と踊り、登場人物たちと物語をくり広げていく様がよく分かる楽しいオープニングだった。


私はその時、自分の顔が熱くなっていくのをなぜか感じていた。


「や、や、やだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!おしりって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!」

 

私は見ていられないくらいはずかしくなってしまった。自分の心に何が起きたのかは全くわからなかった。ただ、私の心には、黒髪つややか三つ編みの乙女がこの映像を見ることを必死に拒んでいるのであった。

 

口調から察するに、おしり探偵はどうやら紳士的であるらしかった。そんな風貌をしているのに、紳士の振る舞いをするなよと思った。

そして茶色の何らかの生きものである助手の名前が「ブラウン」なのは、主人がおしりであることと何の因果関係があるのか考えたくもなかった。


アニメにしては長めのオープニングが終わろうとしたところ、おしり探偵が何か決め台詞を放った。その瞬間おしり探偵の口(おしりであるところの割れ目)から黄色い着色をした空気が出てきて一面を覆った。黄色い霧が晴れた時、助手のブラウンが苦痛に顔を歪めて倒れていた。

 

「もう勘弁して〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」

 

純粋無垢の黒髪の乙女は失神寸前だった。

もうこれ以上見てられないという気持ちでチャンネルを変えた。

 

 

 

 


おしり探偵との出会いは、私の下ネタへの価値観を考え直すことになった。

男女の性事情は好きだ。そこに下品さを感じたことはない。男と女のエロチシズムを帯びた交わりに対し、文学的な美しさを感じている節があるかもしれない。肉欲を抱く乙女も私は美しいと思うし、魅力的だと思わざるを得ない。

 


私はおしり探偵の出会いと共に自身の過去を思い返した。

そして、ある推測にたどり着いた。

恐らく私は排泄にまつわる下ネタが受け付けないのだ。


学生だった頃、よく女同士でトイレに行くグループがいた。「○○トイレ行こー」といった具合に仲の良い友達を連れ出して女子トイレに向かう。私はこれが考えられなかった。私はその空間で誰かが喋っていると落ち着いてトイレが出来ないほどに、己の排泄に対し羞恥心を持っていた。現に、トイレに行く際には最も離れた校舎まで移動して誰もいない所でトイレに行くのが普通だった。


なぜだか分からないが、「排泄=恥ずべき行為」という強い観念に縛られており、私はいまだに家族の前で放屁することすらできない。(放屁に関しては、文字にすることすら本当に恥ずかしくて今頑張って書いている。おならなんて言おうものなら、頭を壁に強く打ち付けてしまいたい。)

 


頑張れば「うんこ」とは口に出すことはできる。

たとえば、負け惜しみの気持ちを込めて相手をけなすときに

「ばーかばーか!うんこー!」

と小学生がごとくののしることは出来る。


ただ、自分の排泄を報告するために、

「今朝の私が肛門からひねり出した一本糞は、うんこ史に刻まれるべき類まれなる立派な出来でございました・・・」
というのは絶対に恥ずかしい。やだー!もー!

 

下ネタがなんでもイケると思っていた私だったが、案外自分にも黒髪の乙女がいて、顔を赤らめて背けるような一面があるらしい。可愛い所あると思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 


「・・・・ってことでそれをおしり探偵見てて気付いたんだよね。」


GWの真っ只中、私は友達とzoom飲みをしながら、そんなことを話していた。


「だから、漫画とかである、だらしのない人が部屋でオナラする描写とかもメチャクチャ恥ずかしいんだよね・・・」


私はそう言いながら、一体私は飲み会でなんの話題を話しているんだろうかと正気に戻った。25にもなって共感性0の話題を酔って提供している。この状況こそが恥ずべき状況なのではないかと一瞬思った。

 

すると、黙って私の話を聞いていた友達のすずめちゃんがこう言った。

 


「じゃあ、オナラの代わりにだらしない人が部屋で脱糞してたら恥ずかしくないってこと?」

 


どうしてそうなるんだ。

それはだらしないどうこうの話ではないだろ。急いでトイレに駆け込めよ。

 


「それは笑っちゃうし、たぶんその漫画は私好きだな。」

 


そしてこんな話を真剣に聞いてくれる友達の存在が好きだ。

私の中の黒髪の乙女も、笑ってそれに同意した。

キューピーは今日もコーヒーを飲ませてくる

私はコーヒーが飲めない。おそらくコーヒーのカフェインが極度に向いてないのだと思う。飲んでしばらくすると動悸が激しくなり、頭痛がおこり、吐き気に襲われる。なのでどうにかこうにかコーヒーを飲むことを避けて生きてきた。

 

 

そんな私に無邪気にコーヒーを勧め続けていくる一人の男がいた。

 

 


「おっ!今日はどうした?オイル交換かな?!」

 


車の下からもぞもぞと出てくるその人は、強面のオデコから金髪の少量の毛が生えていて、ほとんどキューピーマヨネーズと同じ風貌をしている。立ち上がると体格の良い大きな身体が目立つ。大きなオーバーオールのポケットからはスパナがのぞいている。

 


車屋のキューピーマヨネーズと知り合って早3年ほどになる。最初はあまりのイカつさにただ恐縮するばかりだったが、来るたびいつも優しく話しかけてくれるキューピーに段々心をほだされ、車に何かある度お世話になっていた。

 


キューピーは、雑多にタイヤが詰まれた事務所の、小さな机に私を案内するとお湯でカップを温めながら必ず聞くのだった。

 


「で、コーヒーでええよなあ?」

 


そう。

この強面のキューピーこそが、私にコーヒーを飲ませてくる男だった。

 


最初、車を買う契約をする際、なんの有無も言わさず私の前にブラックコーヒーが置かれていた。その時は「客の対応をする時はコーヒー出す人なんだろうな」くらいにしか思わず、少しだけ口をつけて終わった。

 


しかし、キューピーはとても人が良かった。いや、ただただおしゃべりが好きなオッサンであったと言う方が正しい。私が車を持ってくるたびに平均一時間ほどコーヒーを飲みながら雑談をさせてくるのである。

(今日こそ!!今日こそ言うぞ!!「コーヒー実は飲めないんです」って言うぞ!!!言うからな)

 


喉まで出かかった言葉を置き去りにして、私は「あ、ふぁい〜」と間抜けな返事をしていた。

言えない。言えないのだ。キューピーの強面が怖すぎて何も言わず我慢して飲んだ最初の何回かが影響して、私の脳内には「今更飲めないなんて言えない」という葛藤があった。

 


整備が済んだ車に乗って帰る道中、「今日も言えなかった」という敗北感が頭痛とともに私を苦しめた。

 

 

 

 


別の日のチャレンジ。

走行距離がオイル交換日を告げた時、キューピーの頭部が頭に浮かんだ。今日こそは絶対に言う。強い意志を持っていけばなんとかなる。絶対に気まずさに打ち勝つ!!!!!

 


事務所のドアを勢い良くあけ、元気よく挨拶をした。

 


「待っとったよ!!!!!はい!!!!」

 


私の目の前にはコーヒーが勢い良く置かれた。


はえ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!

勝てね〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

 


キューピーは私の車が駐車場へ入ってくるのを見るや否や、カップにお湯を注いでカップを温め、私が事務所に入るまでにコーヒーをついで待っていた。なんでだよ。出来る秘書かよ。ハゲのオッサンのくせに。

 


キューピーは私にコーヒーを飲ませながら陽気に今日も話す。

 


「いやー昔はね、一斉検問いうのがようやっとってね、そこを俺たちは無視して突っ切るんやけど、警察の奴ら2メートルくらいある警棒を槍投げみたいに俺らに向かって投げてくるんよ!バイクの車輪めがけて投げてくるけ、食らったら大怪我よ!!!!ほんで警棒バットみたいにしてバイクのライトをぶち割るんじゃ!!!王貞治顔負けじゃわ!!!!!」

 


ほんで話が濃い!!!!!!!!

フリートークで暴走族の話をするな!!!検問を軽いノリで突っ切るな!!!!

 


その日も敗北を味わいながら帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 


別の日のチャレンジ。

 


またオイル交換の時期がやってきた。

今日こそはと思い、私は力を溜めていた。何度もキューピーと戦うシュミレーションをした。「隙を見せたら終わりよ!話す前に殴る!これが鉄則!」と笑うキューピーを思い出す。

 


勢い良くドアを開け、挨拶をする。

 


「おっ!よく来たね〜」

 


キューピーは私を見て笑う。

話す前に相手を殴っていた頃のキューピーはもういない。いるのは優しくて気の良い元ヤンのオッチャンである。私が正直にコーヒーが苦手と話したら、「はよ言いや〜!」ときっと笑ってくれるはずである。

 


言おう。今日こそ向き合おう。キューピーがカップを温めているのを見て私は口を開きかけた。その時、

 

 


「コーヒーとこぶ茶どっちがええ?」

 

 


キューピーはそう私に聞いた。

 


こぶ茶?????????

急にメニュー増えた??????そして増やしたメニューがこぶ茶????????

 

 

 

「こぶ茶で・・・」

 


私はすごすごと小さく言った。

 

 

「こぶ茶!?自分変わっとるな!!!!!」

 

 

おめぇの二択のせいだよ!!!!!!!

と喉まで出かかったが、相手が喋る前に鼻を折るキューピーの必殺技を想像し、「へへ」と力なく笑った。

私はこぶ茶好きの女になった。

 

その後、キューピーはオジサンになって趣味がなくなってしまったというトークで一時間私を拘束した。「バイク乗ればいいじゃないですか」と私が言うと、「バイクは砂かけババアが砂をかけてくるから転んじゃうからやめた!」という謎のギャグを言ってきた。最近ハマっているのは金魚をたくさん交尾させて高く売ることらしい。

こぶ茶は意外にも美味しかった。

 

 


一度、別の車屋に車を出したことがある。

 

単に職場から近いというだけの理由でそうしたのだが、それに気づいたキューピーは少し寂しそうに「行きたいとこ行きや〜」と笑った。でも、そこでとられたお金を話したら、「うそやん!ぼったくられたなwうちならもっと安いで」と言った。

昔と違い、車屋は不景気が続くらしい。他よりも安くする、というのはどこでもやっている戦術らしい。でも、キューピーにはそれよりもっと違う強みがあると思った。私はなんやかんやキューピーと話す時間が嫌いではなかった。お金を多目にとられたことよりも、キューピーの少し寂しそうな顔を見た時、「他の所へ行くのはやめよう」と思った。

 


その人ととしか話せないことがある、そんなコミュニケーションを、キューピーは何より大切にしていると思った。

 

 

 

 


日はしばらく経ち、4月。
車検がそろそろ切れそうだったので、キューピーの元へ向かった。

世間は未知のウイルスと戦っていた。気軽に誰かに会いに行きコミュニケーションをとることすら難しくなってる。

「今日は早めに帰りますね」と言おうと思った。コーヒーは言えなかったけど、それは頑張って言おうと思う。キューピーが元気にこれからも車を売るために。

 


事務所の扉を開けた。


「世はパンデミックですな!!!!!わはは!!!!!」


キューピーはこぶ茶をいれて待っていた。

 

ジムで女のケツを見るな

最近ジムへ行っている。


目に見えて分かるほど肥満体型というわけではないが、普段着痩せしてる分脱ぐと負の「私脱いだらすごいんです」を体現している。ガッカリを略した方のガリだ。ジムに行けば運動不足も何もかも解消してくれるはずという期待を込め、入会をした。

 

その日もいつも通りランニングマシーンに乗っていた。初回の日、ジムのスタッフが出払っていてろくにマシーンの説明を受けなかったので、アホの一つ覚えのように延々とランニングマシーンに乗っている。
疲れるが、疲れより汗をかく気持ちよさの方が上回っている気がする。

ランニングマシーンのスイッチを切り、「ランニングマシーン降りた後ってメチャクチャ歩くの早くなったように錯覚するよな」とボンヤリ思いながら休憩所のベンチに座った。


?「君さあ、走り方ヘンだよ」

 

いきなり話しかけられ、驚きつつ振り向いた。
そこには青い蛍光色のタンクトップを着た、筋肉質のオジサンが立っていた。

 

・・・・・・誰???

入ったばかりのジムに知り合いはおらず、見ず知らずのオッサンに話しかけられたことに戸惑いを感じた。

 

筋肉オジサン「僕、このトレーニングルームから君の走り方ずっと見てたんだけど〜」

 

見るな。そこそこ距離のある位置から。

 

筋肉オジサン「君、着地する足が内向きになってるからX脚気味になってるんだよね。それだと膝を痛める可能性もあるから気を付けた方がいいよ。」


おじさんは私にジェスチャーをしながら説明をしてくれた。確かに私は小さい頃からX脚がコンプレックスで何回も直そうとしたものの気を抜くと出てしまうのだった。おそらくがむしゃらに走っていた所を見られたのだろう。
ありがたいものの、私にとってはある意味分かりきった指摘であるため、どこか気まずさを感じ「ありがとうございます、気をつけます〜」と言いながらトイレへそそくさと向かった。


トイレから出る。
オジサンはトイレ近くのトレーニングマシーンを使っていた。「なんだったんだ」と思う反面、言っている相手がムキムキであることにジワジワと説得力を感じていた。

私は再びアホの一つ覚えでランニングマシーンに乗る。
「まあ実践してやらんこともないが?」と言わんばかりに着地の位置を少し意識してみた。元よりまっすぐ歩くのが苦手なので、意識したところですぐに改善できないのは分かっている。
まあおじさんももう見てないだろう、と視線を少し後ろにやった時だった。


私の真後ろの腹筋トレーニングマシーンにオジサンは移動していた。


・・・・・・・・・おや?

いやいや偶然だろうと思いつつ、なんとなくランニングマシーンを降りてストレッチゾーンに移動する私。何の気なしにバランスボールに乗る。
たまたま腹筋を鍛えたくなったのだ。はたまたオジサンのルーティン移動がかぶっただけかもしれない。気のせい気のせい。
自分に言い聞かせながら後ろを見る。


オジサンは私のすぐ近くで腕を鍛えていた。

 


なに????ついてきてる????よな??
バランスをとりながら考える。気のせいという可能性が勢いよく減っている。
別の器具に移動する。
乗ると小刻みに揺れる立っているだけの器具だ。(私は今のところこれとランニングマシーンしか使い方が分かっていない)
2分くらい経ったあと、ブルブル揺れながら少しだけ振り返った。

 

オジサンは真後ろで腹筋を鍛えていた。


いる〜〜〜!!!!

真後ろで腹筋を鍛えるな。ていうかさっき鍛えてただろそこ。もういいだろ鍛えなくても。

親切なオジサンこと、変態マッスルタンクトップは私が移動する度に私の近くに移動しているらしかった。
なにそれ?ジム内ストーキング?どういうタイプの刑事罰

そして改めて、自分が今トレーニング器具によって身体が小刻みにふるえているという事実に気づく。

もしかして今オッサン、腹筋を鍛えながら私のブルブルしてるケツを見てる????


位置的には私がおしりを向けているのは確かだ。見られているとしたら、ジム内ストーキングに加え、オジサンには別の重罪が課せられないと困る。
ただ、私がこの構図を俯瞰して認識していることにより、ここには「腹筋を鍛えながら女のケツを見てるオッサンとオッサンにふるえるケツを見せつける女」という新たな構図が発生するのである。私の心はふるえた。(ケツはずっとふるえている)
私はこんなことをするためにジムに入会したのか?何のために生まれて・・・何をして喜ぶ・・・・・・・・・・・・


私はスイッチを切り、更衣室へ向かった。
ジム終わりに鏡を見るとなんとなく痩せている気がする。今日あったことは忘れよう。何が悪い夢でも見たのだ。

そう思いながら着替えて、更衣室を出た。
出口へ向かう前に、ジムの中を見る。


そこにオジサンの姿はなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・マジの夢?


「ついてこられている気がする」「見られている気がする」は結局全部自分しか証人がいない話だ。窓ガラスにうつった、いつもより化粧の薄い冴えない女の姿を見る。ここにいるのは自分と向き合い、己を高める人間だけだ。

次も楽しく運動しに来よう。着地の位置に気をつけながら。
そう思いながら家へ帰った。

 

 


後日、同じジムに行っている母親の友人から、「ジムに新しい女が来る度話しかけて、後をつけまわしてくるオジサンがいて、あまりにもしつこいからスタッフにも言ったことがある」という話を聞いた。


夢であれよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

血尿元年

血尿が出ている。

あ、まちがえた、新年あけましておめでとうございます。

ものごとには順番があるからね。挨拶があってから血尿の報告。これを間違えたらいけない。社会人の常識。

晦日の夜から血尿が出ている。
紅白歌合戦の裏で、紅白尿合戦をしていた。真っ白な顔VS真っ赤な尿!優勝は・・・赤!血尿!やったーーーー!!!全員殺す!

調子乗って昼に大量に酒を煽っていたのが原因だった。でもさあ、酒飲んでただけよ?そこまでする必要あるかね。尿を出す度、メチャクチャ痛い。「み゛ょ・・・っ」って声出るくらい痛い。トイレに行く度誰かに手を握っててほしくなるくらい痛いのよ。ちょっぴりお酒を飲みすぎたからってそこまでする必要ある?
ゲンコツくらいでいいじゃん。血尿出させんでええやん。血尿。思ったより字面すごいな血尿って。


年を越して以降も血尿が止まらないので、祖母の家に行って、「あけましておめでとう」を言ったあと、二言目に「血尿が出てる」と親戚一同報告した。
新年の挨拶を先にするという順番は守れたけど、相手の言葉を待たずに血尿の報告をしたせいで、相手の一言目は「血尿!?」だった。血の轍である。


お昼になる前に病院に行った。

新年に空いている病院は当番院でいつもよりとても混んでいる。スリッパすら履けなかった。
1時間待って問診票を書き、それから1時間待って診察をしてもらった。

朝から働きづくしであろう医者は「え〜と」と言いながら私の問診票を見て2度見していた。
病院にやってきてから2時間経過している。スムーズな診察をしてもらおうと、端的に症状を話した。


私「大晦日の昼にメチャクチャ酒飲んで、夜に気分が悪くなって吐いてて、尿意を催したから試しにおしっこしてみたらメチャクチャ血尿出ました。」


医者「ブフッ」


おい、笑うなよ。
急に酒飲みのバカがきたからって笑うなよ。
元旦に血尿出てんだぞ。真剣だよこっちは。


私「熱もあるんですけど、インフルじゃないですよね・・・」

医者「いや、インフルじゃないでしょうね、ふふ」

働き詰めだったのだろう。
元旦の忙しい病院に唐突に酒呑みのバカがやってきたことがツボにハマったようで、その後も診察をしながら医者は終始ニヤニヤしていた。


診察後、会計になかなか呼ばれることがなかった。普段はこんなに人が来ることがないのだろう。受付は人数不足で完全にてんやわんやしていた。

「〇〇さーんタミフル出しときますね」
「△△さんタミフル出しときますねお大事に」
「✕✕さん体温測って問診票書いてくださーい」
「◽︎◽︎さんタミフルです〜」
「あ、こんにちは〜こちらに名前を書いてお待ちください」
「☆☆さんタミフル出しときます〜」


てんやわんやである。待たされる患者も、処方する事務員もみんな殺伐としていた。

あとタミフル処方されすぎじゃない?全員じゃん。全員タミフル処方されて、壁にぶつかりながら部屋を出ていってるじゃん。

町中のインフルエンザの人間がこの部屋に集められている。
で、なんだっけ?私の病気、膀胱·····炎?
あの、帰る時「タミフル出しときますね〜」って形だけでも言ってくれないかな・・・
そしたら私、壁にぶつかりながらフラフラと帰るからさ・・・
3時間待って、膀胱炎の薬処方されるってなんかさあ、新年早々負けてるじゃん。もうこの際タミフルくれよ・・・・・・・・・。

それか、この際受付手伝おうか?
正直めっちゃ元気だし。膀胱に菌が入ってる以外は至って健康だし。
全員にタミフル配って回ろうか?それくらいの働きするよ。インフルに比べたら、膀胱炎って、普通の人、じゃん。



病院を出たのは、来院した4時間後だった。冷たい空気が頬を撫ぜると、信じられないくらい空気が美味しく感じた。

2020年。今年、26歳になる私は、
酒を飲みすぎて血尿を出している。

「清く正しく生きよ」なんて目標は到底似合わない。出来ることならば健康で、少しでも人らしい人生を送れるよう、リハビリを続けていきたい。あと、良い女にもなりたい。26歳だし。綺麗で魅力的な女になりたい。冗談とかじゃないんで、目、見ます?めっちゃ真剣なんで。

ということで、新年のご挨拶と変えさせていただきます。

今年もピリきゅう、そしてリハビリ人生をよろしくお願いします!



ということで、私は赤いお花をつんできます。ふふ♡(あ、良い女だ!)

私に読みにくい文章を書かせてくれ

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読みにくい文章が読みたくない人は、ビックリマークがたくさんある所までスクロールをしよう!


今年に入ってからライターらしきことをさせていただいている。

ライターらしきという遠回しな表現をわざわざしてるのは、妙なおこがましさを感じているからだ。私風情がライターを名乗りだしたら「調子乗ってんじゃねえぞ!!」誰かが怒り狂ってうちの家までライター持って火をつけに来るかもしれない。

ナンセンスダンスというサイトにて、エッセイ記事も含めて7本書かせてもらった。

nonsensedances.com
↑最近書いた記事


webで記事を書いてみたいというのは、私にとって夢だったので、こういう形で関わらせてもらってることについて頭が上がらない。代表がいる方向に向かって毎日土下座しながら床をなめている。これは嘘です。嘘はやめよう!

そして、この記事は千鳥あゆむさん主催のweb記事アドベントカレンダーに登録している。
軽い気持ちで登録させてもらった後から、「ほんとにいいの?」という気持ちで毎日を過ごし、他の記事があがる度冷や汗をかき、更新日の前日である今日酒を飲みながら「いよいよこれは行方をくらますしかないな」と思っている。すんでの所でやっていない。

ほんとは木に「人生は不可解であり、web記事とは愛である」と刻んで書いた画像をアップして、そのまま華厳の滝に飛び込もうと思ったが、各方面に失礼を働くことになりそうだなと思ったのでやめた。(えらい!)


えらいのでそろそろ本題にはーいる!(えらーい!)



私は日記文化を愛している。

その中でも、テキストだけで笑いをとれるようなそんなコンテンツにずっと憧れを持っていた。
だからこそ、ブログを始めて、今までほとんど画像を使うことはなかった。画像をいれることは分かりやすいし、笑いどころも判断がしやすいと思う。しかし、それをやると、テキストへの重要度が低くなって、最後には文章を読み飛ばされてしまう気がするのだ。

web記事における画像の、インパクトや面白さが際立てば際立つほど、文章そのものの面白さが目立たなくなってしまうのが悲しいと感じていた。(私の文章がそもそも面白いのかどうかはとりあえず遥か遠く隅に置かせてもらう。)

似たような理由でこのブログでは分かりやすい見出しもほとんどつけてはいない。


私にとって、面白いテキストは読みにくい文章だった。見出しも何も無い、文字の太さで強弱もつけない。ただ文字だけが広がっている壁のような文章。
読みにくいからこそ、1つも読み飛ばさないで読み込もうとすることができる。
読み込むからこそ、言葉そのものの面白さで笑ってしまう。


私が読んできた面白い人たちの文章は、言葉のインパクトや、ワードセンス、展開の仕方のみで面白さを作り上げていた。それが面白かったし、カッコ良いなと思っていた。
そこに、日本語だからこそ成し得る表現の妙もある気がした。この文化は永遠になくしてはならない文化だと思っている。




ここでもう一回、私が書かせてもらってるナンセンスダンスの一番最近の記事を見てみよう!


nonsensedances.com



お前めっっちゃ漫画書くやんけ。

イキイキと漫画書かせてもらっとるやんけ。


ということで、これがさっき「日本語の成し得る表現の妙」とか言ってた奴の記事です。お前は一生偉そうな口を開くな!

言葉を大事にしたい、テキストを重視したいと言っている割に、「読みやすさ」や「需要」を考えた結果、私の記事からテキストは減っていった気がする。

写真やイラストが持つ情報量は多い。多いがゆえに、文章だと何文字も書かなければいけないことが、写真だと一枚で済むし、記事を読むトータルの時間も短縮される。至極当たり前のことである。曲がりなりにもweb記事を書く立場として、それを私は「読みやすい」と解釈している。そして、その手法を易々と取り入れている。

もちろん、今でも素のテキストが面白くて、テキスト重視で記事を書かれてるライターさんもいらっしゃるのは分かっている。
でも、そうやって読まれるライターとして残ってるのは本当に力のある方数人なんだろうなと思う。


「言葉を大切にしたい」という気持ちに嘘はない。


しかし、テキスト重視の文化を大切にしていきたいと思う反面、メディアにおいては分かりやすくて手早く読めて面白いものが求められていることを、私は内心分かっていたのだった。

この前現役の高校生の集団と話す機会があった。話の流れで、ネットの話になった時、彼らは「2ちゃんねる」のことを「NHKのこと?」と私に聞いてきた。

自分が当たり前のように見ていたものは、当たり前ではなくなるし、いずれ誰も興味を示さなくなるのだなと思った。



時代に合わせることは悪ではないし、むしろ必要なことだと思う。
ネットはもはや、一部の人のものだけが読む専売特許ではない。皆に開かれてる。
だからこそ、

「分かりやすくて」「すぐに読めて」「面白い」

そんなweb記事はきっと増えていく。
私も機会をいただけたら色んなものを書いてみたい。




でも私はきっとここに戻ってくるだろう。
戻ってきては、壁のような文章を書いて「ここの言い回しが上手くいった気がする」と一人で面白くもない独り言を書きづけたい。
「私の手でテキストのみの記事を守りたい!」なんて大それたことを言うつもりはない。でも、こうやってネット上の面白い文章が好きで居続ける人間が居るというだけで、何か違うんじゃないかと信じている。



日が当たらなくても良い。
たぶん、文章は太陽の下で書くより、日の当たらない場所で書く方が面白いものが書ける気がする。
そしていつかブログを読んでくれてる人に会った時に、「あの記事は言ってる意味がよく分かりませんでした。」って今日の記事について言われたい。


その日までは、と。太陽の下と日陰を行ったり来たりして、頭にキノコを生やしながら今日もジメジメ生きていく。














!!!分かりやすくて早い情報!!!

広島出身の酒好きライターピリきゅうちゃんから耳寄りの情報!

「記事を書きながら酒を飲みたい」
「お酒飲みながらの方が面白い文章書ける気がする」

そんなあなたにオススメのおつまみはこちら!

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イカ天瀬戸内レモン味

イカ天の海鮮のうまみが凝縮されて、レモンの酸味もきいてて本当に美味しい!
本当に最高!さっぱりしてるので、どんなお酒にも合います!

最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!




ゴチャゴチャ言いましたが、イカ天瀬戸内レモン味が美味しいのは本当です。
それだけは、信じてください。




この記事は千鳥あゆむさんがやっているWEB記事に関するアドベントカレンダーに参加しています。色んな話読めてメチャクチャ面白いのでどうぞ・・・・・・

adventar.org