問い:次の文章はピリきゅうが小学生時代の頃のエピソードである。これを読んで、ピリきゅうが同級生からどのように扱われていたかを推測し、十五文字以内で答えなさい。
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小学校の頃、一緒に帰る人は家がある地区が近い人と決められていた。
私と一緒に帰っていたのが、可愛くてスポーツもできて明るい人気者の二人だった。
帰り道、横に広がりすぎると横を通り抜けていく自転車に舌打ちをされる。3人で帰るなら誰か一人は後ろに寄り添う形で歩かなければならない。
私はいつもその一人の立ち位置だった。
自分から会話を振ることはない。二人が話していることをなんとなく大袈裟に笑う。同じことを繰り返して話してみる。それらの行為をすることで、「私たちは3人で帰っている」ということを誰かに証明したかったのかもしれない。家に帰るまでの道は、いつも長く感じた。
ある日、話題が二人が読んでいる雑誌の話になった。二人はニコラという女子小中学生向けのファッション雑誌を読んでいるらしかった。ファッション雑誌なんて買ったことのない私は全然話についていけなかったが、「へ〜そうなんだ」と適当に相槌を打っていた。
すると急に、二人が「きゅうちゃんは正直ダサいよね。」と言った。
胸の奥がキュッとなる感覚がしたが、二人が笑っていたので、私はヘラヘラと「いや〜そうだよね」と返した。
二人は全く悪気なさそうに、「きゅうちゃんはこうしたらもっと可愛くなるよ」というのを教えてくれた。二人は楽しそうに変身のシュミレーションを考えて、私の持ち物から髪型から何から何まで考えてくれた。私はずっとヘラヘラしながら、「なるほど!すごい〜ありがとう」と笑っていた。
別の日、二人から「DSを持っているから」という理由で遊びに誘われた。DSは電池切れで使えなかった。DSを持っていない自分にどういう存在理由があるのか全く分からなかったので、お腹が痛いと嘘をついて遊びに行かなかった。
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【解答欄】
ピリきゅうは二人に( )。
【模範解答】
ピリきゅうは二人に
メチャクチャに舐められていた。
【解説】
いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜舐められてるよな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自分より立場が上だと思う人間に、こうしたほうがいいああしたほうがいいって押し付けないもんな〜〜〜〜〜。
まあ、親切心というか、そういうコミュニケーションの取り方だったんだろうと思うし、なんやかんや仲良くしてくれていたので、二人とも結局メチャクチャいい子なんだろうなと思うけど、「改造計画」という名のもとに色々と考えて楽しまれていたのは、ちょっとした良いおもちゃとして扱われていたんだろうなと思う。
あと、私の家が一番学校から近かかったんだけど、なんかやたら食い物をねだられたな〜。マジで菓子のようなものが何もなくて、お母さんが漬けてる梅干ししかなかったので、梅干しをいつもあげてたな。
梅干して!!!!!!!!!!!!!
梅干しやるくらいなら「なんもねえ」って正直に言えばいいのに梅干しあげるて!!!!!
ほんで二人とも食うんかい!!!わりと気に入って毎回私の家に着くたび梅干しねだるんかい!!!!!
化粧をすることにそこそここだわりがあるのは、こんなふうに見た目で舐められていた過去があるからかもしれない。
今でこそ、自分という人間にそこそこ自信をもてているのでデカイ態度で人と接することができているけれど、小さい頃の自分はヒエラルキーというものに敏感で、常に自分は底辺にいるという自覚で人と接していたと思う。
今考えるとそんなものはなくて、「合わない人間とは付き合わなくていいし、合う人間とだけ仲良くしていればいい」のだ。
それに気付けたのはだいぶ精神的に大人になってからだった。
人に怒れないし、いつも周りに合わせてヘラヘラしている。
梅干ししかあげるものがないけどあげてしまう。
でも、こんな私だからこそ一緒にいやすいと言ってくれる友人もいる。なんでも話せると言ってくれた友人もいる。
化粧をそこそこして強そうな見た目になった今、舐められることは減った。
仲のいい友人は私が化粧をしているかどうかなんて何も気にしない。
【この問題のポイント】
結局は自信を持つということが大事。