リハビリ人生

知り合いに「アケスケなブログ」って言われました。あけみって名前のスケバン?って思ってたら赤裸々って意味でした。

心をほだされてたまるか


接客を生業としている人間にまんまと接客されてたまるかという意地がある。

美容師さんなどの職業はすごい。髪を切ることの技量のみでなく、コミュニケーションを通してお客さんと心を通わせ、安心してもらうことによってまた来たくなる空間を演出してるのだと思う。
ただ、「すごい」と思うのと「話したい!」と思うのは別感情である。

な〜〜〜〜〜〜〜んも話したくない。
1ミクロンも自分の個人情報を話したくない。

髪を切ってもらいたい自分と、髪を切る美容師の間には金銭という架け橋があり、役割を担うだけの関係性が充分成り立っている。
それにも関わらず、コミュニケーションを取らなくてはならない意味がわからない。あーだこーだ言ったが、全ては私がコミュ障ということのみで説明はつく。

あまりに美容師と会話をしたくなさすぎて、大学の時は1回行ったら美容院を変えていた。色んな店の初回割引を何食わぬ顔で使いこなし、顔と名前を覚えられない楽さを味わった。周辺の美容院を行き尽くした後は原付も使った。
最終的には、美容師に嘘の個人情報を言って、話をなんとなく盛り上がらせるというテクまで使っていた。浮気で別れようか悩んでいる彼氏など存在はしていない。在るのは嘘つきのメス1匹。


そんなこんなで、ずっと接客をされることから逃げていた私だったのだが、この前逃れられない接客を受けてきた。

GWから脱毛を始めた。

前から多少興味はあったのだが、カウンセリングしてくれたギャルのお姉さんが言った「まつ毛から下の毛はいらないっすよ」の一言が最高だったので、決心が着いた。額縁に飾りたい言葉である。

月に一度通わなくてはいけないということで、強制的に常連と化すわけである。とはいえ接客から逃げ続けてきた過去を、容易く見捨てるわけにはいかない。
口からでまかせを言おうと考えていた。

「はーい、それじゃちょっと股開きますね〜」

私は全裸で綺麗なお姉さんたちの前で股を開いていた。なんかいい匂いのするタオルを顔に敷かれている。

「おやや?これはリンパの流れを良くするためにあれやこれやをするビデオかな?」
と何回か思ったが、あまりにナチュラルに股を開かされるので、動揺しないことを心がけていた。ずっと「ええ、いつでも開きますよ」という顔をしていた。

「そういえばお客さん普段どんなお仕事されてるんですかー?」

えっ今!?!?!?

「あっ○○です〜」

しかもメチャクチャ普通に答えてしまった。動揺して何も隠すことなく正解を言ってしまった。
人間、全てをひけらかした状態で質問をされると、何も抵抗出来ず全て答えてしまうと分かった。

お姉さんは私にOラインの処理の仕方を、ジェスチャーで教えながら、「わたしめっちゃおしりの毛多いんですよ〜!」と言って笑っていた。
もうなんか何がバレてもいいかと思う、少し汗ばむ令和の始まり。